自分が行くとしたらどんな治療院へ行きたいか、現役鍼灸師である私が考える、よい鍼灸院の選び方です。独断と偏見による部分もありますので、これが絶対に正しいとは言えませんが、鍼灸院選びのご参考にしてくだされば幸いです。当然ながら、私の運営する鍼灸院ではこれらのことを満たせるようにしています。

 

・ホームページの内容が丁寧なこと(見やすい、ではない)

・クチコミは関係ない(事実は事実だが、個人的な感想はあくまで個人の感想)

・鍼灸専門の治療院であること(鍼灸治療以外をしていないこと、症状別の専門家ではないこと)

・自分の治したい症状に対しての施術経験が豊富であること

・理念や考え方に納得できること

・施術担当者が毎回同じであること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

・金額が払える範囲内であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

・所在地が通える地域内であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

・営業時間が通える範囲内であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

・初回時に電話やメールで質問できること

・店舗の名前(屋号)について

・鍼灸院ごとに、同じ症状に対してでも施術方法が違うこと

 

以下にそれぞれの詳細を記します。

 

いろいろな症状や病気に悩んで困ったとき、それを治したいと思いますよね。でも、どうしたらいいか分からない。インターネットで何でも調べることのできる時代ですが、何をどう判断すればよいかがより難しいのは、むしろ情報が多くなっている現代のほうかもしれません(安易に病院:医者を頼ればよいという時代ではなくなってしまった)。例えば病院へ行くにしても何科へ行けばよいか迷う時がありますよね?鍼灸院へ行こうと思っても、どの鍼灸院へ行けばよいかの選択に困ってしまう人も多いと思います。そこで、現役鍼灸師(2001年はり師・きゅう師それぞれの国家資格免許を取得、2012年鍼灸専門の治療院を開院)である私自身が鍼灸院やその他の治療院へ行くとしたら何を基準としてを選ぶのかを書きたいと思います。

 

・ホームページの内容が丁寧なこと(見やすい、ではない)

 

情報化社会である現代、ほとんどの鍼灸院がホームページを持っています。中にはホームページを持たず看板すら掲げていないような達人の治療院もあるようですが、そのような治療院は治療費が高額だったり紹介制だったり新規患者を受け付けていなかったりするので最初から除外するしかありません。そして、達人でなければ治せない症状など、ほとんどありません。

ホームページを検索する際は、できれば30位くらいまでは見てください。良い施術者であることと、インターネット検索で上位に出ること、は全くの別物だからです。後述する内容から考えるとグーグルやヤフーなどでの検索用語としては「自分の症状+通える地域名+治療(+鍼灸)」が無難です。例えば「腰痛 名古屋市 治療 鍼灸」です。

以下に挙げる治療院選びのポイントの情報も、基本的にはホームページから得ることになると思います。ですので、「自分の知りたいことについて分かりやすく丁寧に書かれているか」を観点にして見てください。「見やすさ」はホームページの制作業者による部分も大きいですが、逆に文章内容に関しては治療の専門家ではないホームページの制作業者が手を出すことはできません。必ず「その鍼灸師の人柄や考え方」が出ます。「ホームページに、患者さまが知りたいであろうことを予想しそれを分かりやすく丁寧に載せてあるか?」からは、実際の施術にも関係する、「治療に関する考え方や患者さまとの立ち位置および症状に対する知識量など」や「それらを(難解な専門用語ではなく)分かりやすく相手に伝えることができるか」を伺うことができます。

 

・クチコミは関係ない(事実は事実だが、個人的な感想はあくまで個人の感想)

 

クチコミや紹介って、大事ですよね。私も飲食店を探す時は食べログをついつい見てしまいます。ネット上の良いクチコミが多いに越したことはないし、実際の知人の「良かった」の言葉は安心につながります。しかし、それはあくまでその人にとって「良かった」のであって、自分と「良かった」の判断基準が同じかどうかが重要です。例えば、安くてよかった(症状は通っている間に自然に治った)、とか、治ってよかった(その人の症状に対応してくれたが自分の症状には対応してくれないかもしれない、他の治療院へ行っていればもっと早く少ない回数で治るものだった)とか、いろいろなケースも考えられます。また、施術者とのフィーリングも個人個人で異なるでしょう。

クチコミや他者からの推薦はその鍼灸院の客観的な事実を知るだけに留め、あくまで参考の一つにするべきです。加えて、インターネット上の情報はお金を払えばある程度どうにでもできます。ですので、クチコミ数が少ないからといって、患者さまに喜んでもらえる施術ができていないとは限りません。口下手な先生だとクチコミ集めもできないでしょうし、その逆に業者にお金を払ってクチコミを集めることもできます。私自身、患者さまにクチコミを頼みにくいと感じています(手間と面倒をかけさせてしまうので)。

 

・鍼灸専門の治療院であること(鍼灸治療以外をしていないこと、症状別の専門家ではないこと)

 

質の高い鍼灸治療を受けたいのであれば、鍼灸専門の治療院へ行くべきです。「鍼灸接骨院」を看板に出していたり、マッサージや整体や骨盤矯正などのメニューがある施術院よりも、鍼灸一本で成り立っている治療院のほうが、鍼灸のことに関しては専門家であることが多いからです。しかし逆に、特定の症状に特化し過ぎてしまうと、見識が狭くなってしまいます。人間の身体は一部分一症状だけを区切って考えられるものではないのです。ある程度限定された症状への専門性はあっても良いとは思いますが、専門の症状に特化し過ぎている治療院だとその症状しか治療してもらえないことになってしまうかもしれません。
鍼灸に特化していても症状に特化はしていない、というスタンスが望ましいです。

 

・自分の治したい症状に対しての施術経験が豊富であること(自分の希望をかなえるために)

 

鍼灸治療には知識と技術と経験が必要になります。鍼灸院には一般的なイメージ通り肩こりや腰痛の治療を希望されて来院される方が多くいらっしゃいますが、それらの症状に対してしか施術経験がなければ、その他の症状に関しては学校を卒業したての新人と同程度の知識技術しかもっていない人すらいます。自分の治したい症状に対しての見識を持ち技術を高め施術経験が豊富にある鍼灸師のほうが望ましいです。自分の症状がその鍼灸院の施術対象であり施術経験があるかは、ホームページもしくは電話やメールにて確認するしかありません。

 

・理念や考え方に納得できること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

 

治療についての考え方やスタンスなどは鍼灸師によって違います。これらが納得できることもしくは自分の考え方に近いほうがスムーズです。治療に対しての考え方やスタンスが近くならないと、施術家と患者は信頼関係を築くことはできません。例えば鍼灸師は薬をゼロにしたいけれど患者自身が薬を使ったままでよいと考えていれば、モチベーションにもすれ違いが起きてしまいます。同じ目標に向かって一緒に進んでいくことになるのですから、価値観が似ていたほうがストレスを感じずに済むのです。しかし、この際、施術者に自分の生活(考え方)を否定されることを恐れてはいけません。その生活(考え方)とその身体でその症状に困っているのですから、身体だけ良くなっても生活(考え方)がそのままでは同じ症状を繰り返してしまうからです。再発を防ぎせぎ一歩でも根本的な解決を目指すのであれば、症状の原因になってしまった考え方を修正する必要があるのです。耳障りの良い言葉で患者の全てを肯定する施術者は、症状の改善より患者に気に入れれることを優先しているのでしょうね。また、施術者の患者への対応やその距離感などに関してもストレスを感じないほうが良いと思われますが、こればかりは実際に治療を受けてみないと分かりません。

 

・施術担当者が毎回同じであること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

 

美容院で髪を切ってもらうことを考えれば分かりやすいです。それと同じ理由です。鍼灸治療には技術が必要になります。身体の状態も人によって違います。感覚的にも自分の身体のことを理解してくれている人のほうが説明も省けてストレスが減ります。毎回同じ人に治療してもらうほうが安心できます。

 

・金額が払える範囲であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

 

多くの症状の場合、1回や2回で治療が終わることはありません。また、鍼灸は予防的な治療をすることもできるので、その場合は定期的に通い続けることでより高いレベルの健康状態を保つことができます(鍼灸は、マイナス→ゼロ、だけでなく、ゼロ→プラスの治療ができる)。であれば、ある程度の期間や回数を通うこと前提で、納得できる金額の治鍼灸院を選ぶべきです。ただ、健康はお金に換算することのできない貴重な財産です。症状がなくなることでその後の人生すら変わることもあります。お金は大切ですが良い使い方をしてこそ意味があるもの。健康の価値を間違えないようにはしたいですね。

 

・所在地が通える範囲内であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

 

金額の件と同じ理由です。あまりにも遠方の鍼灸院へ通うと、通うこと自体が苦痛になってしまいます。できれば自分自身で通勤や通学の途中などに立ち寄れる程度のほどよい距離にあることが望ましいです。

 

・営業時間が通える範囲内であること(ある程度の期間回数を通うことが前提)

 

金額や所在地の件と同じ理由です。時間外での施術にも対応してくれる鍼灸院もありますが、別料金を取られることがほとんどです。自分の通える金額・通える範囲・通える営業時間で治療をしていることが望ましいです。

 

・初回時に電話やメールで質問できること

 

具体的な質問があれば直接電話やメールで質問すればいいと思いますし、それにしっかり対応してくれる鍼灸院のほうが安心できます。しかし、治りますか?とか、何回通えばいいですか?の質問をしても、自分の望んだ答えを返してくれることはあまりないでしょう。安易な発言は責任問題にもなってしまいますので、責任感を持って治療している鍼灸師ほど言葉を濁します。それは、例え同じような症状であっても患者さまによって症状の強さや生活環境が違えば同じ目的で治療をしても結果が違ってくるのは当たり前の話で、どんなに優秀な鍼灸師であろうと治療をする前から何回で治るかのはっきりした答えは出せなくて当然だからです。ただ、経験的に言えることはたくさんあると思うので、「だいたいで構わないので」とか「多くの場合は」などアバウトな感じで答えを促すと参考になる話を聞けると思います。そして、先生の言葉を信頼して言われたように通うこと、不安や心配事などがあればその都度質問すること、が大切です。納得して通う中で信頼関係を築くことができれば、それに越したことはありません。

 

・店舗の名前(屋号)について

 

現在、名古屋市で鍼灸施術を提供している店舗はコンビニの件数より多くあります。何かしらの症状を治したいと思い、どこへ行けば迷ってしまう時、それぞれの治療院の違いを見分ける上で重要なことは、まずは店舗名です。鍼灸を受けたいのであれば、看板が「鍼灸接骨院(鍼灸整骨院)」ではなく「鍼灸院」であるほうが望ましいでしょう。名前は身体を表します。自分で付けた名前には願ってやまない信念や気持ちが込められています。「鍼灸院」を掲げていれば、鍼灸で勝負しようという気概のある治療院です。「鍼灸院」ではなく「〜接骨院」や「〜整骨院」の看板を掲げるということは、ただ単に言葉の違いなのではなく、運営している側からすると保険制度の意味で大きな違いがある(柔道整復師として登録すれば、保険治療にすることで回数を重ねながら保険機構から金銭的利益を得ることが可能になる)のです。

 

・鍼灸院ごとに、同じ症状に対してでも施術方法が違うこと

 

忘れてはいけないのは、一般的に「鍼灸は治療院ごとにその治療方法が異なる」ということです。簡単に雑に行ってしまえば「流派」が違うと言えば分かりやすいかもしれません。症状や身体の見方、それに対するアプローチの違い、それらは千差万別になり、おのずと治療結果も大きく違ってきます。大切なことは自分の症状に対しての治療を行っているか?ということですが、説明や効果に不満を感じている場合(できればまずそれを施術者に伝えて改善してもらうことが望ましいがそれすら最低限の信頼関係があってこそ成り立つものだろう)は、別の鍼灸院へ行くことを考えても良いかもしれません。

 

以上、長い文章になってしまったので最後まで読まれている方は少ないかもしれませんが、一人の患者になった気持ちで考えてみました。一鍼灸師として、健康を考える一人でも多くの方が良い鍼灸師に出会えることを願っています。

 

ちなみに、鍼灸院以外の選択肢ですが、基本的に病院へは検査を受けに行くのみが望ましい(必要な場合を除いて薬は毒なので飲まないほうが良い)し、急性期の整形外科症状以外で接骨院で保険治療を受けるのは本来は違法(詳しくはご自分でお調べください)だし、整体やカイロプラクティックなどはそれに応じた国家資格があん摩マッサージ指圧師以外になくそれを保持してこれらに従事している人はほとんどおらず、つまり日本の国家資格的には無資格だから最低限の安全や安心や技術の保証がない(信頼できる先生もいますので一概には言えない)しで、これらへは私は基本的に行きません。行くとすれば、個人的に人柄を知っており信頼できる知人の治療院になってしまいます。だからこそ、私は日々の健康管理(睡眠・栄養・運動など)を大切にしています。

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